うつ病 ストレス 認知症ケア 診療科目:精神科/神経科/内科 石川県金沢市長坂 岡部病院 あっぷる 岡部診療所

「のだの里」の建築的こだわり

 介護が必要な状態になって人生の終盤を施設で暮らさなくてはならなくなった人のために、少しでも快適で元気に過ごしてもらうために、建築的には三つのこだわりがあります。

1.敷地について

外観写真 東・南・西の三方が道路に面しているため、将来的にも通風・採光を遮られることは無く、安定した立地環境を維持できます。また、三方が道路に面することによって、施設の建物が町並みの一部を形成し、地域との関わりを生むきっかけになります。東には医王山が見渡せ、そこからの朝日が差し込みますし、西側の見通しもよい場所です。周りは新興住宅地として、新しい住宅がどんどん建っているので、子供達が増えていく地区です。南西と南東のコーナーにユニットの共有スペースを設けたことで、外からは内の様子が良く見えるし、内からは外の様子が良く見えます。
 地域の人たちからは、この施設がどのようなもので、どんな人たちが住んでいるのか、どんな暮らしをしているのかを理解してもらうことができます。施設で暮らすお年寄りからは、道路や歩道を行き交う車や人を眺め、住宅地の動き、一日の時間の変化や季節の変化を感じることができます。

間取り 地域との交流会を通して顔見知りになった子供達の通学や遊び回っている姿を眺めることは、お年寄りには何よりもの楽しみとなります。新興住宅地の中に、お年寄りの暮らす地域に密着した施設が存在し、町の中にお年寄りが住んでいるということを見せること、こういう施設が、新興住宅地が出来ていく時に同時に存在していることが街づくりにとって凄く重要なことと考えています。

2.10cm角鉄骨柱による耐力壁付きラーメン架構

個人空間 これは一般的な太い鉄骨を使用せず、10cm角の鉄骨柱だけを使って建てる珍しい工法です。石川県は積雪地方ですので、木造住宅では12cm角の柱が一般的ですが、10cm角の鉄骨柱を使用することで木造住宅のような構造となります。構造計算も木造と似たような考えで、耐力壁をブレース(筋交)でつくり、耐力壁の長さで耐力を判断します。なんといっても木造住宅のスケール感で内部空間を創ることができることが大きな特徴です。のだの里の様な変形した平面形にも柔軟に追従することが出来ます。注意してみると、部屋の隅に鉄骨の柱により飛び出した壁がないことがわかると思います。

3.土壌蓄熱式輻射床暖房

床暖房の快適環 地下3mまでの土壌の層を蓄熱体として利用し、建物の下3mまでの大きな蓄熱層を持つことで、上部建物に安定した熱を供給し、外気の温度変化に左右されにくい安定した室内環境をつくることが出来ます。居室、廊下、洗面、便所、浴室等、全ての場所で床暖房にすることができます。通常の床暖房程床が熱くなることはありませんが、床だけでなく壁や天井まで、のだの里の2階部分まで含めて、建物全体がほんのりと温かく底冷えがしません。足元の暖かさはエアコンで空気を温めているのとは快適さの質が異なりますし、なによりも高齢者にとって健康を維持しやすい室内環境を実現することができます。


「のだの里」の設計施行管理は谷重義行先生にお願いしました。
谷重義行+建築像景研究室

社会福祉法人こころ理事長 前田義樹









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